夜明けと共に

何が見えた?

生き地獄








「産むんじゃなかった」
 聞きなれた。
「死ねよ」
 聞きなれた。
「全部あんたのせいよ」
 聞きなれた。





 聞きなれた筈なのに、どうして涙が出るの?































「…ただいま」
 足音と立てないようにそっと上がり込むと、見慣れた母親の姿が目に入った。霞は、母親の顔を見ないように少し顔を伏せながら横を通り過ぎる。
「早く家事しなさいよ」



「はぁ」
 ひとしきり家事を終え、息をついた。霞の母親は霞を奴隷のように扱っている。本人も、彼女の子供だなんて思いたくなく、構わないと考えていた。
「何してんの?さっさと働きな」
 「少しくらいいいいじゃないか」という言葉をどうせ反抗しても殴られるだけだと、ぐっと飲み込む。
「…はい」
 立ち上がって先程取り込んだ洗濯物を畳み始める。毎日このような生活をしているせいか、先程よりも動作が遅くなっていた。
 黙々と畳み、片付ける。背後で母親の怒鳴り声が聞こえ、霞は更に気分沈んだ。
 霞の両親はとても仲が悪い。顔を合わせれば喧嘩。声を聞けば怒鳴り合い。何故結婚まで至ったのかが解らない程に。
「ねえまだ終わらないの!?」
 金切り声を上げる母親。と同時に霞の後頭部に鈍い痛みが走る。
「…はい」
 ふらつきながらも黙々と家事を進めていった。




「っはぁ」
 家事は終わった。自室に戻ると次は勉強。家事を全て霞に押し付ける割に、霞の両親は勉強で順位や点数が下がる事を絶対に許さない。文句も愚痴も、一切漏らさず言われた事をするだけ。
 少しでも自分の傷を、負担を減らす為に。
 幸い暗記は得意な方で、こちらは順調に進む。学校では勉強にならない為、ほとんど独学だ。
「Monopoly、Monochrome、centipede…」
 小さく唱えながらひたすら覚える。覚えて覚えて覚えて。詰め込むだけ詰め込めばテストの時に役立つ。
 と、
「今まで何してたのよ!」
「お前こそ今日もどっかほっつき歩いてたんじゃないのか!?」
 騒がしい怒鳴り声。父親が帰ってきたようだ。
「霞!!」
 呼ばれた。行かなければ。
 席を立ち、リビングへ向かう。きっとまた罵倒だろうと理解しながら。
「何でしょう」
 声をかけた途端、倒れた。正確には『叩きつけられた』。
「あんたがいるから!」
「出来損ないだから!」
「お前が…」
 そこからは暴力と暴言の嵐。耐えられずに霞は、意識を飛ばした。
























ここで力尽きました。一旦切ります。
HPとか無いです。
かかなりはしょりました。
もっと細かく書こうとして力尽きたんです怒らないでください。