くらくら
暗くて、明るくて、暖かくて、寒い部屋。
何かがいた。
❝それ❞を見た途端、冷たい温かい寂しい幸せな辛い、おかしな感情が湧き上がった。
頭がぐちゃぐちゃになって、どうしていいかわからなくなって。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
叫んだ。
両手で頭を抱え、うずくまりながら叫んだ。
なのに、自分の耳には何の音も聞こえない。
声が出ていないのかもしれない。
全部の感情が混ざり合った気がした。
そして生まれた謎の黒い感情が、心の中で渦巻いた。
絵の具全てを混ぜると、黒に限りなく近い色になるみたいに。
黒。
その瞬間、何もかもが真っ黒になって――
私は、意識を失った。