夜明けと共に

何が見えた?

物語

こんな子の話を書きたい

その子は、異端だった。別に、おかしな行動を取る、とか、感情が見えない、とか、そういった、わかりやすい類いの物ではなく。笑いもすれば泣きもする。普通だ。けれど、異端。簡単に言えば、関心がない。関心がない物の1つや2つ、誰にでもあるだろう。け…

殺人犯

「死ね」 その言葉は唐突だった。何の前触れも無く降りかかってきた言葉。 「え……え?」 「あんたなんて死ねばいいのよ!!」 そう叫んだ母親は、今までよりも醜く歪んでいて。 ――化け物だ。 そう感じた。殺気で全身に鳥肌が立つ。今までのどうでも良い、死ん…

声のない女の子

※注意※ 絵本感覚で読んでください。 ハッピーエンドにしようとしてどこで間違ったのかバッドエンドになりました。 一つ目が書いたやつ(バッドエンド)、二つ目が書こうとしていたハッピーエンドです。それを理解した上でどうぞ。 あるところに、声のない女の…

不死身と夢

面倒だ。なぜ人は夢を見るんだ。ああ、面倒くさい。眠れば死ぬし起きてても嫌な物ばかりだ。 あまりにも現実的な「自分が死ぬ」夢。縁起のいい夢だなんて言われてるが、当の本人からすれば邪魔なだけ。 「夢ってな、リアルすぎると数日どっちが現実だかわか…

梅雨の女の子って何気に悪戯好きだよね(3/05更新)

「よしっ」 午前5時30分。特にすることも無いから、今日仕掛ける悪戯を箇条書きした紙切れを折り畳んでポケットに仕舞う。 今日は梅雨の皆でどこかに出かけるらしいから、留守番役を買って出た。だって、こんなの悪戯する絶好の機会じゃないか! と思って…

梅雨の女の子って何気に悪戯好きだよねの前提だけ書いとく

ある日。 梅雨組全員(主に男子)が出かけるみたいだから悪戯の絶好のチャンスだと思って、衰は前日に一緒に悪戯した事ある人(ギアちゃん、シェリィちゃん、玲夢ちゃん)に話つけて4人で悪戯することになった。 っていうのが前提(長い) どこに出かけるかとか考…

崩れる

ガラ、と大きな音が聞こえた。それとほぼ同時に目前の建物が崩壊し始めた。 原因はつい先程起こった地震らしい。恐らく、建物が古かったがために耐え切れなかったのだろう。 周りの人は何だか焦って騒いでいる。五月蝿い。 僕は建物の前まで歩き、自分の住み…

我慢と我儘

ある所に二人の姉妹がいました。 妹は美しく、しかし姉は美しいとは言えない顔立ちでした。 二人が赤子の頃は良かったのですが、時が経つにつれて少しずつ、少しずつ、美しい妹を贔屓するようになっていきました。 始めの方こそ「私はお姉ちゃんだから」と言…

ある不登校者の言い訳

俺が他人の視線を気にするようになったのはいつからか。覚えてない。ある日「他人って何を考えてるかわかんないよな」と思った。ただ、それだけ。 なのに次の日から急に怖くなったんだ。友人との会話の途中で相手を不快にさせてないか不安になって。帰り道に…

溺れる

今日も学校明日も学校。つまらない。誰かに何か言われてないかが気になって居心地の悪い教室で席に着く。 今日は放送朝礼だ。校長の話は長くて気が滅入る。 いつも通り担任が来て、朝礼が始まり、放送が鳴り出した。 「じゃあ今から放送朝礼だから机を綺麗に…

もしも

いつもの様に暗闇の中に紛れてベンチに腰掛ける。 さすがに肌寒いため、薄い上着を羽織ながら。 ここしばらく、衰はおかしかった。 勿論誰にも悟られないようにしているし、自分で感じた事だ。 ふいに、恐怖や不安が襲って来るのだ。 暗い闇と静寂。 この中…

衰の話

衰の話(過去ではない←←) 「ひまだなあ…」深夜2時を過ぎた頃だろうか。彼女-----衰と呼ばれる少女は自室のイスに座り、ポツリ呟いた。彼女の睡眠時間は2、3時間あれば十分。だが、午前中に二度寝してしまったがために目が冴え、眠れないのだ。「外に出よ…」法…